AWSが「AWS Sustainabilityコンソール」を提供開始:排出量データを一元管理
AWSは2026年3月31日、クラウド利用に伴うスコープ1〜3の排出量データを一元的に確認できる「AWS Sustainability コンソール」を発表しました。日本語版の公式ブログでも、2026年4月3日に内容が紹介されています。今回の発表は、クラウド利用に伴う環境負荷の把握を、これまでより実務で扱いやすくする動きとして注目されます。
この新しいコンソールでは、スコープ1・2・3の排出量データを、リージョン別、サービス別に確認できます。あわせて、カスタムCSVレポートの出力、APIやSDKによる取得、会計年度に合わせた設定にも対応しており、追加費用なしで利用できます。過去データは2022年1月までさかのぼって参照可能です。これらの機能は、排出量データを「取得する」だけでなく、既存の業務フローに組み込むことを前提とした設計といえます。
当社でもAWS Sustainability コンソールにアクセスし、実際の表示を確認しました。今回の画面では、推定MBM排出量と推定LBM排出量はいずれも0.000004 MTCO2eで、削減量は0 MTCO2eと表示されました。もっとも、利用量自体が非常に小さいため、この結果だけでMBM(市場ベース)とLBM(地域電力網ベース)の差が本当に存在しないと断定することはできません。表示粒度や利用条件の影響も含め、参考値として見るのが適切です。いずれにせよ、今回確認した結果からは、当社ウェブサイトに関連するAWS利用由来の排出量が非常に小さいことがうかがえます。
今回のポイントは、単にデータが見られるだけではないことです。AWS Sustainability コンソールはBillingコンソールとは独立した権限モデルを備えており、請求権限を持たない担当者でも、排出量データへ直接アクセスできるようになりました。これにより、サステナビリティ担当者やレポート担当者が、必要な情報にアクセスしやすくなります。
また、APIやSDKで取得できることで、排出量データを自社のダッシュボードやレポート業務に組み込みやすくなった点も実務上の変化といえます。排出量を「確認するだけ」でなく、「継続的に管理する」方向へ進んでいることがうかがえます。
こうした動きの背景には、企業に求められるサステナビリティ情報開示の広がりがあります。AWSの今回の発表は、デジタル基盤に関する排出量データが、特別な取り組みではなく、日常的な管理や説明の対象になりつつあることを示すものといえます。
ウェブサイト運用やクラウド活用など、デジタル領域の環境負荷をどう捉えるかは、今後ますます重要なテーマになっていくでしょう。
デジタル領域の環境負荷を、経営や企業価値の観点から整理した内容については、以下の記事もあわせてご覧ください。「低炭素ウェブが、企業価値になる!:サプライチェーンと経営戦略における『デジタル環境負荷』への新しい視点」
出典:AWS公式ブログ日本語版「AWS Sustainability コンソールの提供開始 – プログラムによるアクセス、カスタム CSV レポート、スコープ 1-3 の排出量レポートを一か所で」