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Ecover|企業ウェブサイトのデータ容量とCO2排出量の削減

環境配慮型の家庭用洗浄製品を表現したイメージ
環境配慮型製品のイメージ(AI生成)

環境に配慮した製品を提供する企業にとって、その理念を伝えるウェブサイトも、環境負荷を見直す対象の一つです。

ベルギー発の洗剤ブランドEcover(エコベール)は、企業ウェブサイトのリニューアルにあわせて、ページ容量とCO2排出量の削減に取り組みました。

ウェブ制作会社Wholegrain Digitalが公開した事例では、ページ容量を7.8MBから1.7MBに、1ページビューあたりのCO2排出量推計値を4.33gから0.93gに削減したことが報告されています。

今回は、WordPressを活用した既存サイトの改善を通じて、企業のブランド表現とウェブサイトの環境性能を両立させた事例を紹介します。

1. 環境配慮型ブランドがウェブサイトの環境負荷にも着目

Ecoverは、1979年にベルギーで誕生した、環境に配慮した洗剤・家庭用洗浄製品のブランドです。製品そのものだけでなく、持続可能な暮らしや環境問題に関する情報発信にも取り組んできました。

そのブランドの考え方を、ウェブサイトの設計や運用にも反映させようとしたのが、Wholegrain Digitalとの取り組みです。Wholegrain Digitalは、2014年からEcoverとの協業を開始し、ウェブサイトの制作や継続的な運用を支援してきました。

今回紹介する事例では、既存のウェブサイトを新しいブランドデザインに対応させると同時に、ページの読み込み効率やデータ容量を見直しています。重要なのは、ブランドの表現を維持・更新しながら、ウェブサイトの環境性能も改善対象としたことです。

2. 画像・フォント・WordPressテーマを最適化

ウェブサイトの画像、フォント、プログラムの最適化を表現したイメージ
ウェブサイトの最適化イメージ(AI生成)

Ecoverのウェブサイトでは、WordPressを基盤として、Wholegrain Digitalが開発した独自のスターターテーマ「Granola」が使用されていました。
リニューアルでは、この既存テーマを新しいブランドデザインに対応させながら、コードの更新と軽量化を進めました。

特に注目したいのは、デザインを新しくするためにフォントを追加しながらも、そのデータ容量を最適化した点です。

一般に、画像やフォント、プログラムなどの追加はページ容量を増やす要因となります。しかし、必要な表現を維持しながら、読み込み方法やデータの扱い方を工夫することは可能です。

Wholegrain Digitalが公表した主な改善項目は、次のとおりです。

  • 画像の最適化によるデータ容量の削減
  • 画像などの遅延読み込み(Lazy Loading)の導入
  • 既存のWordPressテーマの改修・更新
  • 新しいブランドフォントの導入と最適化

Ecoverの事例は、デザインの品質とウェブサイトの軽量化が、必ずしも相反するものではないことを示しています。

3. ページ容量とCO2排出量を約80%削減

Wholegrain Digitalが公開した改善結果では、Ecoverのウェブサイトはリニューアル前と比較して、ページ容量とCO2排出量の推計値を大幅に削減しました。

具体的な結果は次のとおりです。

  • ページ容量:7.8MBから1.7MBへ削減(約78%減)
  • 1ページビューあたりのCO2排出量推計値:4.33gから0.93gへ削減(約79%減)
  • 1ページビューあたりのCO2排出量推計値の削減幅:3.4g

これらは、Wholegrain Digitalが当時公表した改善結果であり、現在のEcoverのウェブサイトの測定結果を示すものではありません。

それでも、ページ容量の削減とCO2排出量推計値の低減を、改善前後の数値で示したことには大きな意味があります。ウェブサイトの環境性能は、目に見えるデザインだけでは判断できません。

改善前の状態を測定し、技術的な対策を実施したうえで、改善後の結果を確認する。

Ecoverの取り組みは、こうした測定と改善の考え方を具体的に示した事例といえるでしょう。

4. 継続的な運用・改善を支えるWordPress

Ecoverの事例では、一度のリニューアルだけでなく、継続的なウェブサイトの保守・改善も重視されています。Wholegrain Digitalは、WordPressテーマのコードを定期的に更新することで、ページの読み込み速度や環境性能の改善につなげていると説明しています。

また、日常的な保守に加え、ウェブサイトの状態を定期的に確認し、継続的な改善の選択肢を提案する支援も行っています。これは、企業が既存のウェブサイトを運用するうえでも参考になる考え方です。

ウェブサイトは公開後も、新しい記事、画像、機能、外部サービスなどが追加され、構成やデータ容量が変化していきます。そのため、公開時に軽量化されていても、その状態が将来にわたって維持されるとは限りません。

重要なのは、ウェブサイトを公開して終わりにするのではなく、環境性能も運用品質の一つとして継続的に確認することです。

Ecoverの事例は、WordPressのような一般的なCMSを利用するウェブサイトでも、既存の仕組みを見直しながら環境負荷の低減を進められることを示しています。

5. まとめ:環境性能は既存サイトでも改善できる

Ecoverの取り組みで注目したいのは、特別な仕組みを新たに構築するのではなく、既存のWordPressサイトを改善することで、ページ容量とCO2排出量の推計値を大きく削減した点です。

画像の最適化、フォントの軽量化、テーマの更新、遅延読み込みなど、一つひとつは一般的なウェブ制作・運用でも検討できる技術です。

しかし、それらを環境性能という視点から整理し、測定結果によって改善を確認することには重要な意味があります。まずはウェブサイトのデータ容量やCO2排出量の推計値を測定し、現状を把握する。そのうえで改善できる項目を見極め、継続的に見直していくことが大切です。

Ecoverの事例は、企業の環境方針をウェブサイトの設計・運用にも反映し、既存サイトの環境性能を継続的に改善できることを示した事例といえるでしょう。