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UK Green Building Council|ウェブサイトのCO2排出量を94%削減

環境に配慮したサステナブル建築のイメージ

英国で建築・不動産分野の持続可能性を推進する非営利団体「UK Green Building Council(UKGBC)」は、2023年のウェブサイトリニューアルにおいて、環境負荷の低減を重要な設計方針に位置づけました。

ウェブ制作会社Wholegrain Digitalと協力し、コンテンツの整理、画像の軽量化、デザインやコードの最適化などに取り組んだ結果、従来のウェブサイトと比較して、年間CO2排出量の推計値を約94%削減しました。

この事例は、ウェブサイトの環境性能を設計段階から考慮することが、環境負荷の低減だけでなく、情報の整理やブランド表現の改善にもつながることを示しています。

1. UK Green Building Councilとは

UK Green Building Council(UKGBC)は、英国の建築・不動産分野において、気候変動対策や資源の効率的な利用、持続可能な建築環境への移行を推進する非営利団体です。建築物の脱炭素化やネットゼロの実現に向け、企業・団体との連携、知識の共有、政策提言などに取り組んでいます。

同団体は、持続可能な建築環境を推進する立場から、自らのウェブサイトについても環境負荷を見直す必要があると考えました。ウェブサイトは物理的な建築物とは異なりますが、情報の配信にはデータセンター、通信ネットワーク、利用者の端末などの電力消費が伴います。

そこでUKGBCは、組織が掲げる環境理念を、情報発信の基盤であるウェブサイトにも反映させることを目指しました。

2. 環境負荷を設計段階から考慮したリニューアル

UKGBCは2023年、持続可能なウェブデザインを専門とする英国のWholegrain Digitalと協力し、ウェブサイトをリニューアルしました。このプロジェクトでは、制作の初期段階からデジタル領域の環境負荷を評価し、設計や開発の判断に反映させています。

主な取り組みは次のとおりです。

  • コンテンツの整理:SEO分析とCO2排出量の推計に基づく、不要なページや古い情報の見直し。
  • 画像の軽量化:ピクセル調の表現を採用し、画像データの容量を大幅に削減。
  • デザインの最適化:暗めの配色や軽量なSVG、システムフォントの採用。
  • コードの効率化:サイト構造やプログラムの見直しによる効率化。
  • ホスティングの最適化:電力利用に伴う環境負荷に配慮した運用基盤の選定。

特に注目されるのは、画像の軽量化を単なる圧縮処理として扱わず、デザインそのものに組み込んだ点です。

従来の画像を軽量な表現へ置き換えた結果、制作会社によれば、ウェブサイト全体の画像データ容量を従来比で約95%削減しています。環境負荷を抑えるための工夫が、サイト独自の視覚表現にもつながりました。

3. 年間CO2排出量を約94%削減

UKGBCは、リニューアルによる環境性能の改善結果を公式サイトで公開しています。

公表された主な数値は次のとおりです。

  • ページ容量:0.618MBから0.112MBへ削減
  • 年間推計電力消費量:1,398kWhから87kWhへ削減
  • 年間推計CO2排出量:664kgCO2eから41kgCO2eへ削減
  • 1ページビュー当たりの平均推計CO2排出量:約0.1gCO2e

年間推計CO2排出量は、664kgCO2eから41kgCO2eへと減少しました。削減率は約94%に相当します。また、リニューアル後のウェブサイトについて、UKGBCは1ページビュー当たりの平均CO2排出量を約0.1gCO2eと公表しています。

これらはウェブサイトのデータ転送量やアクセス状況などに基づく推計値であり、直接測定されたCO2排出量ではありません。また、削減率はリニューアル前後で同程度のアクセス数があることを前提とした比較です。

数値そのものに加え、UKGBCが改善結果を自らのウェブサイトで公開していることも、この事例の重要な特徴です。

注記:CO2排出量および電力消費量は、2023年のリニューアルに伴う推計値です。現在のウェブサイトの環境性能を示すものではありません。

4. 環境性能とブランド表現を両立したウェブデザイン

ピクセル調の表現を取り入れたイメージ(AI生成)

UKGBCの事例では、環境負荷の低減とウェブサイトの表現力を両立させています。

画像容量を削減するために採用されたピクセル調の画像表現は、サイトの独自性を生み出すデザイン要素にもなりました。

また、SEO分析とコンテンツ整理を組み合わせることで、既存ページを単純に維持するのではなく、利用者にとって必要な情報を見極める機会にもなっています。

これは、ページの容量を小さくするだけでなく、必要な情報を効率よく届けることも、持続可能なウェブサイトの重要な要素であることを示しています。

UKGBCは、ウェブサイトの環境負荷や改善結果を公表する専用ページ「Website Sustainability」を設けています。

環境への配慮を単なる制作上の工夫として終わらせず、組織の姿勢を伝える情報として発信している点も特徴的です。

5. まとめ:環境理念をウェブサイトの設計と運用に反映する

UK Green Building Councilの事例は、環境負荷の低減をウェブサイトの設計方針に組み込むことで、大幅な改善が可能になることを示しています。
注目すべき点は、画像やコードの軽量化にとどまらず、コンテンツ戦略、SEO、デザイン、開発、ホスティングを含めて検討していることです。

また、改善結果を数値として公表することで、組織が掲げる環境理念と実際の取り組みとの関係を明確にしています。ウェブサイトの環境性能は、技術的な品質だけでなく、企業や組織の環境方針を具体化する要素にもなり得ます。

UKGBCの取り組みは、ウェブサイトを企業活動の環境負荷低減と情報発信の両面から見直すうえで、参考になる海外事例といえるでしょう。