Viridor|低炭素ウェブへの取り組み―企業サイトの環境性能を改善
英国の資源循環・エネルギー回収企業Viridor(ヴィリドール)は、企業ウェブサイトの刷新にあたり、情報発信力の向上と環境負荷の低減を両立させる取り組みを進めました。
新しいウェブサイトでは、コンテンツ管理システム(CMS)の刷新とサイト構造の最適化を実施。制作会社が公表した事例によると、ウェブサイトのCO2排出量は比較対象の平均値より40%低く、利用者のエンゲージメントも前年比18%向上しました。
企業の環境方針を情報として発信するだけでなく、その発信基盤であるウェブサイト自体の環境性能にも配慮した事例です。
1. 資源循環を担う企業のウェブサイト改革
Viridorは、廃棄物からのエネルギー回収や資源リサイクルなどを手がける英国企業です。循環型経済への移行を事業の中心に据え、2040年までに主要事業でカーボンニュートラル、2045年までにクライメートポジティブを実現する目標を掲げています。
一方、従来のウェブサイトには、企業の事業内容や技術的な取り組みを十分に伝えきれていないという課題がありました。また、サイトの構造や運用基盤も、環境に配慮したウェブ運用に適したものではありませんでした。
そこでViridorは、デジタルエージェンシーのtrue digitalとともにウェブサイトを刷新。企業の情報発信力を高めながら、デジタル領域の環境負荷を抑えることを目指しました。
2. CMS刷新とサイト構造の最適化
ウェブサイトの刷新では、CMSをUmbracoへ移行し、コンテンツの管理・更新を柔軟に行える構造を採用しました。
新しいサイトでは、事業内容や技術情報、サステナビリティに関する情報を整理し、企業や行政機関などの関係者が必要な情報へアクセスしやすい構成を整えています。
また、サイト全体の設計において、環境性能を考慮した「グリーンウェブ」の考え方を取り入れました。情報量や表現力を確保しながら、効率的に動作するウェブサイトを構築することが、この取り組みの特徴です。
サイトの刷新は約3か月で完了し、従来のプラットフォームから新しい運用基盤への移行も実現しました。なお、公開されている事例資料では、個別の画像圧縮率やページ容量の削減量など、技術的な最適化項目の詳細までは示されていません。
3. CO2排出量を平均比40%低減
制作を担当したtrue digitalは、ウェブサイト刷新後の成果として、次の数値を公表しています。
- ウェブサイトのCO2排出量:比較対象の平均値より40%低い
- エンゲージメント:前年比18%増加
- コンバージョン率:3%
特に注目したいのは、環境性能の向上と利用者のエンゲージメント改善が両立している点です。ウェブサイトの低炭素化は、必ずしも情報量や利用体験を犠牲にするものではありません。
Viridorの事例では、企業情報を充実させながら、環境負荷にも配慮したウェブサイトを実現しています。
ただし、CO2排出量の40%という数値は、刷新前のサイトからの削減率ではなく、比較対象の平均値との差を示したものです。また、算定モデルや測定条件の詳細は公開資料から確認できないため、数値の解釈には留意が必要です。
注記:CO2排出量に関する制作会社の公表値は当時の評価であり、現在のウェブサイトの環境性能を示すものではありません。
4. 環境方針をウェブサイトの運用にも反映
Viridorの取り組みは、企業の環境方針をウェブサイトの設計・運用にも反映した点に特徴があります。
同社は、事業活動における脱炭素化を進めるとともに、デジタル領域の環境負荷も企業の持続可能性に関わる要素として捉えています。
また、ウェブサイトの公開後も、制作会社による継続的な管理と性能改善を行う方針が示されています。
これは、ウェブサイトの環境性能を公開時点だけの評価で終わらせず、運用を通じて維持・改善していく考え方です。
企業のサステナビリティを伝えるウェブサイト自体も、環境配慮の対象とする。Viridorの事例は、こうした考え方を具体的なサイト刷新につなげたものといえます。
5. まとめ:企業の環境対応をデジタル領域にも広げる
Viridorの事例は、企業ウェブサイトの刷新において、情報発信力と環境性能を同時に考慮した取り組みです。特に重要なのは、ウェブサイトの環境配慮を独立した取り組みとして扱うのではなく、企業のブランド、情報設計、運用体制と一体的に捉えている点です。
企業が脱炭素や資源循環への取り組みを発信する機会が増えるなか、その情報を届けるウェブサイト自体の環境負荷にも目を向けることが求められます。
また、ウェブサイトの環境性能は、公開後のコンテンツ追加や機能変更などによって変化します。そのため、低炭素ウェブは構築して終わりではなく、運用・保守を通じて継続的に測定・改善していくことが重要です。
Viridorの事例は、環境への取り組みを「伝えること」と、環境に配慮した方法で「届けること」に加え、公開後の環境性能を維持・改善することの重要性を考えるうえでも参考になります。